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※本記事は公開情報をもとに整理したものです。介護保険制度の詳細や手続きは、自治体や時期によって異なる場合があります。最新情報はお住まいの市区町村の窓口や担当のケアマネジャーにご確認ください。
「帰省するたびに、実家の段差が気になる」「最近、親の歩き方がちょっとふらついている気がする」——そんな心配を抱えている方は多いのではないでしょうか。
高齢者の転倒事故は、骨折や入院のきっかけになるだけでなく、そのまま要介護の状態につながってしまうケースも少なくありません。「まだ元気だから大丈夫」という時期こそ、転倒しにくい環境を少しずつ整えておくことが、後々の大きな安心につながります。
この記事では、実家で転倒リスクの高い場所と確認ポイント、そして手すりや滑り止めなど具体的な対策の選択肢を整理しました。帰省前のチェックリストも掲載しています。
この記事でわかること
- 高齢者の転倒事故が「介護のきっかけ」になりやすい理由
- 実家で転倒リスクが高い場所と、場所別の確認ポイント
- 手すり・滑り止め・段差解消スロープなど対策の選択肢と費用感
- 介護保険の「住宅改修費」制度の概要
- 帰省前に使えるチェックリスト
高齢者の転倒事故、なぜ早めに備えたいのか
内閣府の高齢社会白書によると、65歳以上の方の転倒・転落事故は自宅内で多く発生しており、骨折の大きな原因のひとつとされています。
特に大腿骨(太ももの付け根の骨)の骨折は、手術が必要になることも多く、入院・リハビリが長引くケースがあります。そのまま歩行が難しくなり、在宅介護や施設入所に至るケースもあると言われています。
転倒事故を完全になくすことは難しいかもしれませんが、リスクの高い場所を把握して対策しておくことで、事故が起きる確率を下げることが期待できます。「親が元気なうちに」という視点で、少しずつ環境を整えていくことをおすすめします。

実家の転倒リスク、場所別に確認したいポイント
転倒事故は特定の場所で起きやすい傾向があります。帰省したときに、以下のポイントを一緒に確認してみてください。すべてを一度に対策しようとすると大変なので、まず「ここが特に気になる」という場所から始めるのがおすすめです。
玄関・廊下
- 靴の脱ぎ履きのときに、つかまれる手すりや壁がない
- 上がり框(玄関の段差)が高く、またぐのが大変そう
- 廊下が暗く、夜間の移動が怖い
- 廊下に物が置いてあって通り抜けにくい
トイレ・洗面所
- 便座の立ち座りのときにつかまる場所がない
- 洗面所の床が濡れて滑りやすい状態になっている
- 入り口の段差でつまずきそう
浴室・脱衣室
- 浴槽をまたぐときにふらつきそう
- 洗い場の床が濡れていて滑りやすい
- 脱衣室と浴室の間に段差がある
- 立ち上がりのときにつかまれる場所がない
階段
- 手すりがない、または片側にしかない
- 段の奥行きが狭く急な勾配になっている
- 階段が暗く、踏み面(足をのせる部分)が見えにくい
寝室・リビング
- 夜間にトイレに起きるとき、足元が暗い
- 布団から立ち上がるときにつかまるものがない
- カーペットや畳の端がめくれて引っかかりやすい
- 部屋の出入り口に小さな段差がある
転倒防止のためにできる対策と費用感の比較
転倒防止の対策は、工事が必要なものと不要なものに分かれます。費用感も大きく異なるため、まず工事不要の対策から始めて、必要であれば専門業者への相談や介護保険の活用を検討するのがよいかと思います。
※価格は一般的な目安です。商品・業者によって大きく異なる場合があります。最新情報はご自身でご確認ください。
| 対策 | 主な用途・場所 | 費用感(目安) | 工事の有無 |
|---|---|---|---|
| 置き型手すり | 玄関・ベッドサイド・立ち上がり補助 | 5,000〜30,000円 | 不要 |
| 突っ張り型手すり | トイレ・洗面所・廊下など | 10,000〜40,000円 | 不要(床〜天井固定) |
| 壁取り付け手すり | 廊下・階段・浴室(しっかり固定) | 工事込み3〜10万円程度 | あり(専門業者) |
| 滑り止めマット | 浴室・洗面所・玄関 | 1,000〜5,000円 | 不要 |
| 段差解消スロープ | 玄関の上がり框・部屋の出入り口 | 3,000〜15,000円 | 不要(置くだけ) |
| センサー付き足元ライト | 廊下・夜間トイレへの動線 | 2,000〜8,000円 | 不要(コンセント型) |
まず試しやすい「工事不要」の対策
置き型や突っ張り型の手すりは、壁を傷つけずに設置でき、「まず試してみる」という段階に向いています。賃貸住宅でも使いやすく、設置場所を変えやすいのもメリットです。
浴室の滑り止めマットは数千円から用意でき、手軽に対策できます。吸盤付きのタイプが多く、ずれにくいものを選ぶと安心感が高まります。洗面所の脱衣室にも一枚敷いておくと、濡れた足でのすべり防止になります。
センサー付きの足元ライトは、夜間のトイレへの動線を照らすのに役立ちます。コンセントに挿すだけで設置できるものが多く、廊下や寝室の出入り口に置くだけで夜中の転倒リスクを減らすことが期待できます。


しっかり固定したい場合は専門業者への相談を
浴室や階段のように、体重をかけながら使う場所の手すりは、壁取り付け型がより安心です。設置には壁の強度確認や下地への固定が必要なため、専門業者への依頼を検討してください。
「業者に頼むと高そう」と感じるかもしれませんが、後述する介護保険の住宅改修費制度を利用できる場合は、費用の一部が補助されることがあります。まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。

介護保険の「住宅改修費」制度について
要介護・要支援の認定を受けている方を対象に、手すりの取り付けや段差の解消などの住宅改修にかかった費用の一部を介護保険が負担する制度があります。
一般的な制度の概要(内容は変更される場合があります):
- 支給限度額は通常20万円(自己負担は原則1割、所得に応じて2割・3割)
- 対象工事の例:手すりの取り付け、段差の解消、床材の滑り止め・変更、引き戸への交換など
- 事前にケアマネジャーを通じた申請と市区町村の確認が必要
なお、この制度を利用するには、要介護・要支援の認定が必要です。まだ申請していない場合は、介護保険の申請を先に進めてから相談するとスムーズです。
条件や手続きの詳細は自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や担当のケアマネジャーに最新情報をご確認ください。
▶ 介護保険の申請の流れについてはこちら:介護保険の申請はどこにする?手順と認定までの流れ
▶ ケアマネジャーへの相談についてはこちら:ケアマネジャーとは?役割・ケアプラン・相談できることを家族向けに解説
帰省前に使えるチェックリスト
次の帰省に向けて、気になる場所から確認してみてください。
- 玄関の段差(上がり框)が高く、またぐのが大変になっていないか
- 玄関に靴の脱ぎ履き時につかまれる手すりや壁がないか
- 廊下・トイレ・洗面所に手すりや滑り止めがないか
- 浴室の床に滑り止めマットが敷いていないか
- 浴槽をまたぐときにつかまれる手すりがないか
- 階段の両側または片側に手すりがないか
- 夜間にトイレへ行く動線が暗く、センサーライトなどがないか
- 寝室からの立ち上がりのときにつかまれるものがないか
- 部屋の出入り口に気になる段差がないか
- カーペットや畳の端がめくれて引っかかりやすい箇所がないか
- 廊下・通路に物が置かれて通りにくい場所がないか
- 住宅改修が必要かどうか、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談しているか
まとめ:帰省のタイミングを「実家の安全確認日」にしてみる
転倒防止の対策は、一度に全部やろうとすると大変に感じることもあります。まずはチェックリストを見ながら、「ここが一番気になる」という場所を一か所だけ確認してみることからはじめてみてください。
「この段差、前から気になってたんだ」「手すりがあると楽かもね」という会話が生まれると、親も受け入れやすくなることがあります。対策グッズを一緒に選ぶという方法も、押しつけにならずにすむかもしれません。
住宅改修の制度を使いたい場合は、介護認定の申請が先に必要です。「まだ早いかな」と思う段階でも、地域包括支援センターで相談だけしてみることはできます。
▶ 介護が気になり始めたときの確認事項はこちら:親の介護が気になり始めたら最初に確認しておきたいこと|実家でできる準備
最新の介護保険制度の内容・手続きは、お住まいの自治体や地域包括支援センターにご確認ください。

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